医学統計研究会の紹介
設立経緯・趣旨
医学統計学は,医学・医療における広義の意思決定を支える基礎学問です.具体的には,治療効果や薬効の客観的評価を行うための実験研究あるいは観察研究の立案,疫学的あるいは社会的な研究の計画,データ収集過程の監査とデータの質の管理,収集されたデータの解析,その結果の診断・評価・解釈,研究過程の円滑の遂行,またその客観性の保証が主要な目標となります.
先端的な医療から日常の診療に至るまで,「科学的根拠に基づく医療」が声高に喧伝されるほど,その根拠を与える方法論の必要性が喚起されています.このとき,その根拠の主体を与えるのは統計科学であり,それも場面を医学と医療に限定すれば,医学統計学になります.とくに,医療および医薬品の評価には,技倆と経験を有する医学統計家の存在が欠かせないものとなっています.我が国の実情では,医学統計家の絶対数は,外国,とくに米国と対比した場合に約1/500とされ,本来の標準化と満足のいく水準を達成するにはほど遠いものがあります.
このような背景のもと,NPO法人 医学統計研究会は,医学統計学の健全な発展と実践の模範として,必要とする人たちの指導・支援を率先することを目的に設立され,2004年10月にNPO法人として正式に認可されました.
事業内容
- 医学統計学における諸法の研究・開発、および啓発・普及
- 医学統計学におけるコンピュータ活用業務、およびソフトウェアの研究・開発
- 医学統計学に関する著作の刊行
- 医学統計学の諸種の主題について研究発表会.講演会.シンポジウムなどの開催
- 臨床研究および臨床試験における統計的支援
- 統計相談および技術相談に対する応対・対処